言語聴覚士として働く上で重要なのは、看護師との連携です。チーム医療で進めるため、周囲との連携が求められます。
言語聴覚士は、話す・聞く・食べるなどの障害に関する専門職です。障害を持つ患者に対し、医師や看護師などと連携して適切な治療を行い、社会復帰に向けたリハビリを進めます。患者を支援するためにはチーム医療が必須であり、そこで重要になるのが看護師との連携です。看護師は患者を包括的にサポートする役割を担うため、そこと連携することで異変や症状の把握が可能になります。
まずは、言語聴覚士と看護師の役割の違いを理解しなければなりません。言語聴覚士はコミュニケーションの問題を抱えている患者に対し、分野ごとにアプローチして回復に向けたリハビリを実施します。患者の年齢層は幅広いため、状況に応じた適切なコミュニケーションが求められます。
一方、看護師は主に医師の診療のサポートや、患者の看護を担当します。患者の健康状態や生活状況を観察し、包括的にサポートするポジションです。多角的に患者を支援する必要があるので、個人の状態を細かく把握しています。
言語聴覚士は専門的なサポート、看護師は包括的なサポートといった役割の違いがあります。患者と接する機会が多い看護師であっても、個人の状態をすべて把握しているとはいえません。専門分野においては言語聴覚士の方が深く理解しているケースも考えられます。そのため、言語聴覚士と看護師は患者の状態をお互いに共有しなければなりません。新たな症状の出現、医療機器のトラブル、リハビリに対する意欲の変化、家族からの相談など様々な情報を共有し、社会復帰に向けた支援に活かす必要があります。
言語聴覚士と看護師が連携する際のポイントとして挙げられるのが、お互いの仕事に対する理解です。事例検証会や勉強会に参加することで、お互いの仕事に対する理解が深まります。理解が深まれば伝えるべき情報の精査が可能になり、より連携が強化されます。前提として、言語聴覚士と看護師の連携が患者への支援や社会復帰に直結することを忘れてはいけません。連携が深まれば、それだけ質の高いサポートを提供できます。
以上が、言語聴覚士と看護師の連携についてです。言語聴覚士を目指している人は、看護師の仕事についての理解も深めておきましょう。より質の高いサポートを提供するためにも、お互いに歩み寄る姿勢が求められます。
言語聴覚士の国家資格を取得するためには、まずは指定の学校に通い受験資格を得る必要があります。資格を取得するまでのルートはいくつか用意されているので、自分に合った方法を選んでください。なお、通信教育のみでは取得できません。
訓練・指導の内容について、対応する障害ごとに紹介します。例えば、食べ物を噛む・飲み込む動作に問題が生じる嚥下障害に対しては、食事機能の維持や回復に向けた訓練を行います。病院で働く場合、この嚥下障害に対応することが多くなります。
言語聴覚士とはどのような仕事か、大まかな概要やこれまでの簡単な歴史を紹介します。言語聴覚士が実施するリハビリは様々な専門職と連携して行います。需要は年々伸びており、有資格者の数は現在までで4万人近くに増えています。