言語聴覚士は様々な魅力・やりがいのある仕事です。その内容について、詳しく紹介します。
言語聴覚士はコミュニケーションの問題を抱えている子どもに対し、言語の訓練を行います。また、家族や教育機関と連携し、周辺環境の整備も実施します。そのため、言語聴覚士による支援は、子どもの将来を担う非常に重要なものになります。話す・聞くといった感情表現が苦手な子どもは、日常生活で様々な困難に直面します。周囲と上手くコミュニケーションが取れず、ふさぎ込んでしまうこともあるでしょう。小児リハビリに携わる場合、そういった子どもを支援することになります。頑張って訓練をしている子どもの様子や、課題をクリアした時の嬉しそうな表情を見ることで、言語聴覚士として大きな喜びを感じられます。
また、言語聴覚士は関係者と共にリハビリのプログラムを組み立てます。話す・聞く・食べるなどの動作について、それぞれの患者の状態に合わせながら、日常生活に支障が出ないように社会復帰を支援します。患者の楽しみや生きがいを支援できるようなリハビリのプログラムを組み立てながら、その過程を共有できる点も魅力です。
女性が活躍しやすい環境である点も、言語聴覚士として働く魅力の1つです。事実、男女比は8:2で女性の方が多い傾向にあります。女性が多い理由としては、言語聴覚士はリハビリ職の中でも負担が少ないことが挙げられます。結婚・出産をしてからも働きやすいようにサポートしてくれる環境が整っています。育児休暇を取得しやすく、託児所を併設している職場も少なくありません。このように、キャリアを途絶えさせることなく、安定して働ける点も言語聴覚士が人気を集めている理由として挙げられます。
言語聴覚士はコミュニケーションを円滑に取れるように様々な支援を行う仕事です。患者と対面して支援を行うので、その成果が出た時には直接感謝の気持ちを伝えてもらえます。これは、言語聴覚士ならではのやりがいといえるでしょう。また、社会復帰に向けて支援を行い、患者が少しずつ回復して表情が明るくなっていく様子を間近で見ることができる点もやりがいにつながります。
言語聴覚士は、他のリハビリ職に比べて複数配置されることが少ない職種です。そのため、職場の規模によっては所属している言語聴覚士は自分だけというケースもあるでしょう。そのような環境では、周囲から非常に頼られる存在になります。それが、やりがいにつながる人も少なくないようです。また、言語聴覚士は専門性の高い仕事なので、資格を取得した後もスキルアップに努めなければなりません。専門的な知識や技術を活かして働きたい人にとっては非常にやりがいがあります。
言語聴覚士の国家資格を取得するためには、まずは指定の学校に通い受験資格を得る必要があります。資格を取得するまでのルートはいくつか用意されているので、自分に合った方法を選んでください。なお、通信教育のみでは取得できません。
訓練・指導の内容について、対応する障害ごとに紹介します。例えば、食べ物を噛む・飲み込む動作に問題が生じる嚥下障害に対しては、食事機能の維持や回復に向けた訓練を行います。病院で働く場合、この嚥下障害に対応することが多くなります。
言語聴覚士とはどのような仕事か、大まかな概要やこれまでの簡単な歴史を紹介します。言語聴覚士が実施するリハビリは様々な専門職と連携して行います。需要は年々伸びており、有資格者の数は現在までで4万人近くに増えています。