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現場で言語聴覚士が行う主な訓練・指導

話す・聞く・食べるを支援する【言語聴覚士】

言語聴覚士の行う主な訓練・指導

言語聴覚士の行う主な訓練・指導について、対応する障害ごとに紹介します。

言語聴覚士の行う主な訓練・指導

言語障害

言語障害には失語症や音声障害などが含まれます。話す・聞く・読む・書くといったコミュニケーションに関する機能を妨げるため、言語聴覚士は障害の具合を観察すると同時に、その原因やメカニズムを解明しなければなりません。その上で言語の理解や発話、読み書きの訓練を行い、社会復帰を支援します。

聴覚障害

聴覚障害は周囲の音が聞こえない、聞き取りづらいといった症状が現れます。難聴も聴覚障害の一種で、生まれつき障害を抱えている先天性のタイプと、事故や病気によって発症する後天性のタイプがあります。言語聴覚士は聴覚検査を実施し、障害の度合いや種類を判断した上で、言語の訓練や補聴器のフィッティング、人工内耳の調整などを行います。

言語発達の障害

通常、人間は生まれてから3歳~4歳くらいまでの間に、周囲の会話や自分に話しかけられる言葉から自然と言語を学習します。しかし、発達障害や知的障害などが原因で言語発達が遅れる子どもがいます。そういった子どもに対し、言語聴覚士は周囲で行われているコミュニケーションに関心を持つように指導します。また、言語の訓練を行い語彙や文法の習得をサポートすることもあります。子どもの置かれている状況によっては、家族や教育機関と連携して周辺環境を整えるなど、幅広く支援しなければなりません。

認知機能の障害

知覚、記憶、思考、感情、判断などの社会生活に適応するために必要な機能の総称を、認知機能といいます。この認知機能を妨げる障害が、高次脳機能障害です。加えて、高齢化が進む日本においては認知症の患者も増えています。これらの障害を持つ患者に対し、認知機能の評価や訓練を実施するのも言語聴覚士の仕事です。

嚥下障害

嚥下障害は食べ物を噛む・飲み込む動作に何らかの問題が生じ、一連の行動が阻害されてしまう状態を指します。高齢者に多く、舌や顎の筋肉の衰えや歯がないことが原因で起こります。また、脳卒中の後遺症による麻痺が原因のケースも少なくありません。嚥下障害を放置すると、栄養状態が悪化するだけでなく、食べ物が誤って気管に入ってしまう誤嚥が発生しやすくなります。誤嚥は肺炎を引き起こし、最悪の場合命を落とすこともあるため慎重にサポートしなければなりません。言語聴覚士は食事機能の維持や回復、可能な範囲の評価や助言を行います。なお、病院で働く場合は嚥下障害への対応が多くなります。これは、入院患者に高齢者が多いためです。

話す・聞く・食べるのスペシャリストになるために